こんにちは。「トイレどうするか問題」は古くは科挙の時代から受験者に立ちはだかる難問として知られています。科挙の間の三日間は外に出られず、許可を得るには事前に答案の確認が必要となるなど面倒であったため、受験者の多くは尿瓶を持参していたそうです(Wikipedia情報)。現代の試験会場でも本質的な問題は何も変わっていません。急な尿意・便意に受験者はどう対処すべきなのでしょう。

この問題を受験勉強が本格的に始まる4月という時期に考えておくことには意味があります。「練習は本番のように」とはよく言われますが、これはトイレについても全く変わりません。日々の生活やこれから何度か受けるであろう模擬試験において「トイレどうするか問題」を意識しておくことは、入試本番でこの問題を解くにあたり大きな助けとなるでしょう。

食事の影響

理論上食事を取らなければトイレに行く必要はありません。したがって食事を最小限にすれば「トイレどうするか問題」を解かなければならない状況を回避できる可能性が高くなります。世に流布する風説に「カツ丼を食うと受かる」というものがありますが、馬鹿を取り除くためのふるいです。ゲンを担いでベンに負けては仕方がありません。もちろんカツ丼を食って便意を催しても余裕で合格できるほど勉強しておくのが理想ですが、そんな人間はそもそもカツ丼など食わなくても合格できるでしょう。

さて、試験前日・試験当日において問題になる食事は多くの場合「前日夕食」「当日朝食」「当日昼食(会場)」です。二日間以上試験が続く場合はさらに問題になるでしょう。この間全て食事を抜くというのは現実的ではありませんし、食事を抜くことによるパフォーマンスの低下は無視できません。必要な栄養は正しく摂りつつ、尿意と便意を抑えたいですね。

筆者の場合は前日夕食は普段通りとして奇怪なものを食べず、当日朝食は最小限とし、当日昼食はグミとラムネのみとしていました。筆者の経験則として、グミは噛みごたえがあって満足感がある割に便意につながるまでが長く、試験中に食べても問題ありません。またラムネはブドウ糖を効率的に摂取するのに最適です。脳を使うとどうしても糖分は必要になるので適当に食べておくのが良いでしょう。また、水分の補給は大切ですが、夏場の試験でない限り教科の間に一口程度にしておくのがちょうど良いです。試験が終わればがぶ飲みして構いません。

以上は当然筆者の身体の場合の話であり、個人差の大きい部分でもあるだろうと思います。大切なのは事前の模試等で「食事の取り方」を意識することです。自分に合ったスタイルを見つけるのは一朝一夕では出来ません。試験直前になって考え始めても遅いのです。

なお試験当日に突然新しいものを食べない、というのは当然ですが重要です。筆者はある模試で眠気覚ましのため、その日初めて買ったミン◯ィアを服用しました。当日は何もなかったものの、その後継続的に服用したところ、40%程度の確率で強い便意を誘発することが明らかになりました。決してミン◯ィアが悪いわけではなく、自分の体に合わないものと判断するにはしばらく時間がかかります。もしこの記事を試験直前に読んだとしても、いきなりグミとラムネを買っていくのは辞めましょう。

可能なら腹痛を抑制する薬を事前に試しておくことが望ましいです。筆者は「下痢止めEX」という薬を持参して試験会場に向かいました。幸い服用せずに済んだものの、事前に性能を試せていなかったため、飲む場合は一か八か、という状況となってしまいました。薬はそれなりに値が張るため、なかなか気軽に試せないかもしれませんが、やはりできるならば使ってみてから飲む方が安心です。

パフォーマンスへの影響

筆者の経験では、おおよそ尿意・便意のある状態でのパフォーマンスは、通常時と比べて30%低下します。これは実際の定期試験での得点から大まかに計算されたものです。もちろん試験中全ての時間帯で尿意・便意を感じていたわけではない以上、その持続時間等も因子として存在しえます。また尿意・便意そのものが解決しても、焦りなどの残存がパフォーマンスに影響する部分も当然考えられます。

一方で、実際に「トイレに行く」という行為のパフォーマンスへの影響を考えると、こちらは小さいと言っても良いでしょう。全体の試験時間にもよりますが、仮にトイレに行くのに5分間のロスがあるとして、単純に時間のみの比を考える限り、60分の試験なら8.3%、90分ならば5.5%、150分ならば3.3%です。つまり尿意便意の下で試験に取り組むことによるパフォーマンスの悪化の方が支配的であることがわかります。

理論上は、以上のことから、パフォーマンスへの影響を最小限にするには「尿意・便意が影響するまでの強さに至った場合に即座にトイレに行き、なおかつなるべく落ち着いた状態でその後の試験に臨む」というのが妥当な戦略となります。

しかし理論上はそうであっても実際その状態に至った場合落ち着いた行動が取れるかどうかは少し話が変わります。「影響するまでの強さ」と判断するタイミングが早すぎると実際の排便までに時間がかかり時間的ロスを増大させてしまう可能性があります。「トイレに入ったら即座に出し切れる」状態でトイレに行くのが理想ですが、これには慣れが必要です。平時の生活から意識的に自分のトイレ事情を理解するよう努めていくことが大切です。

試験当日の行動の取り方

試験当日は基本的にトイレありきで考えましょう。会場のトイレは混雑する可能性があるので、まずは駅のトイレを検討してください。試験会場についたらまずはトイレを探しましょう。空いているようなら入ってください。試験会場に入るというのはつまり自分の周囲の環境が変わるということです。寒暖の変化が尿意・便意を誘うケースは多々あります。

試験の間も必ずトイレに行きます。あなたが「トイレどうするか問題」に悩まされた経験が全くないとしてもです。実際に本当に全ての受験生がトイレに行ってしまうと本当に辛い人が行けなくなってしまい問題なのですが、少なくともこれを読んでいるあなたは尿意と便意を侮ってはいけません。

行くタイミングですが、トイレに並ぶ人数というのはどのタイミングでも大体同程度になります。並んでいることを想定して次の試験の開始時間に間に合うように気をつけながらトイレに行ってください。それでも列が解消しそうにない場合は別館のトイレなどを検討できるよう、事前にスペアのトイレもチェックできるとさらに良いでしょう。また、可能な状況であればノックを躊躇う必要はありません。昨今嘆かわしいことにトイレでスマホをする人は多くいます。そうした人たちを引きずり出すにはノックが有効です。

意外と知られていないのが「問題用紙配布〜試験開始」までの時間です。この時間を正しく取っている模試というのは非常に僅かですが、試験本番では10分以上待たされることもあります。そこでこれを逆手に取り、この時間にトイレに行ってしまう、という方法が考えられます。もちろん手を挙げて試験監督に頼まなければいけないという点で若干の緊張感がありますが、ほぼ確実にトイレに行くことができます。毎時間やって変に怪しまれては敵いませんが、どうしようもないような場合では良い選択肢になるでしょう。

可能なら直せ!

ここまで対策を論じてきておいてアレですが、可能なら直すのが一番です。世の中には試験直前にミルクコーヒーをがぶ飲みしても涼しい顔をしている猛者がいます。どんなに「トイレどうするか問題」への対策を立てたところで、この問題に取り組まずに済む人間が圧倒的に有利であることに変わりはないです。

筆者の場合は高校2年生で就寝時間が遅くなった頃から急な腹痛の症状がで始めたように思います。完全に生活習慣の変化が影響しています。ということは、ちゃんと寝るようにすれば症状は改善すると考えられます。

逆に考えると、これから試験勉強を始めるようなみなさんの場合「これから症状が出る可能性」もあるといえます。勉強のために夜遅くまで勉強する、あるいは朝早く起きる、そうした生活習慣の変化が、どのように影響するかはわかりません。「トイレどうするか問題」は誰にでも起こり得るものです。

まとめ

試験勉強のしすぎで「トイレどうするか問題」への対策が疎かになっている受験生は大勢います。普段から「トイレどうするか問題」を意識して勉強し、ライバルに差をつけましょう。

「尿意・便意が影響するまでの強さに至った場合に即座にトイレに行き、可及的速やかに用を足し、なおかつなるべく落ち着いた状態でその後の試験に臨む」を基本戦略とし、模試などの機会にはこの戦略を適用する練習を行ってください。また尿意や便意につながらない食事のスタイルを探究することも大切です。

直せるのが一番ですが、直せなければうまく付き合っていく以外ありません。尿意・便意と共存しながらの試験合格をどうか目指してください。