※この記事は都立西高校の1~3年生の生徒の方々を対象としております。

こんにちは。ドット会の中の人です。
お久しぶりです。実力考査がそろそろですかね。

とはいえ、実力考査は範囲が無い、あるいは無に等しいような感じなので、
対策するべきなの?みんなどれくらい本気で受けるつもりなの?と気になる方もいるかもしれません。

というわけで、ここでは実力考査について色々説明しようと思います。

実力考査の概要

実力(読み:じつりき)は年に2回、9月と1月に行われます(3年生は9月と11月)。1・2年生は国数英の3教科、3年生は国数英+理社で受験に使う科目となります。また、2年生は1月の実力で、理社で選択する教科の基礎力確認テストが付いてきます。

実力は成績に影響しないはずです。そのため受けていない人も少しいました(良くはない)。実力の結果として、各教科・合計点での学年順位・学年偏差値が出ます。クラスのも出た気がします。

難易度は3年間でほとんど変動しません。つまり1年の最初から、3年までずっと難しいです。平均点は100点満点の場合30~40点程度となります。

傾向は各教科によって細かくは違いますが、全体的に言えるのは圧倒的に時間が足りないということです。最初から完璧に埋めていこうとすると全然終わらないことになります。残り時間に応じて柔軟に戦略を立てる力が鍵となっています。

各教科の細かい傾向は後で説明します。

じゃあ、どれくらい本気で解けばいいの?

1年生と2年生の頃は、確かに部活が忙しく実力の対策がそれほど出来ない、という人も結構いました。そういう人たちは仕方ないと思います。ですが、手は抜かずに、自分の今のポジションを把握するように努めましょう。

特に、1年生の最初の実力は重要です。この最初の実力で「キャラ」が決まります。最初にいい順位を取れれば、そういうキャラになるので、勉強のモチベーションが自ずと出やすく順位を維持しやすいです。ですが、悪い順位を取ってしまうとそれもそういうキャラで固定化されやすいでしょう。

3年生になると、実力は受験の雰囲気を帯びてきます。勉強の成果を確かめるうえでも、しっかりと取り組んだ方が良いでしょう。前回の記事と同様、西高生で現役東大合格をした人たちに、「高3の実力について」アンケートを取りました。すると、次のような回答を得られました(11人のうち10人の方から回答をいただけました)。ありがとうございます。

適当にやった人はいないみたいですね。いつものテスト通り、という人が多いようですが、この時期はいつものテストもそれなりに本気で解いていると思われますので、みなさん結構しっかり取り組んでいると言えます。僕のクラスには実力を毎回欠席する人もいましたが、そういうことをする人は回答者の中にはいないようです。

順位はどれくらいを目指せばいいの?

1年生の最初の実力についてまず説明します。それなりにしっかり勉強できていて、受験も東大や京大を目指しているという方は、学年10位以内を目指しましょう。最初からこれくらいの順位が取れると先ほども書いたようにキャラの固定化も相まって順位を維持しやすいです。
ですが、思うように勉強できないこともあるでしょう。そういう場合は、学年50位以内くらいだと、東大受験にチャレンジできるとよく言われています。あまり厳密になる必要はない気もしますが、1つの目安にしてください。
2年生の方は1年生と同様の基準を達成できるようにしてください。
3年生の方で、東大などを目指している方は、目標は10位以内、最低は30位以内です。下の図がまたアンケートの結果で、11人中10人の東大現役合格者の方に回答いただけました。どうやら東大に現役で合格した人で回答してくれた方は、皆さん30位以内だったようです。ちょっと基準が上がった気がしますが、これ多分文理別の順位ですよね(ガバガバ)。よってやはりあまり2年生のころと変わらないのでしょうかね。

3年生は数学の問題が文理で違うので、多分文理混合の順位って出なかったと思うのですが、出たら教えてください()

高順位を狙うには?

実力で高順位を狙うには、「事故教科を作らない」ことが何より大切です。
全教科それほど高得点が取れていなくても、事故さえ無ければそれなりに順位が上がります。
逆に、1教科とても良い点が取れたとしても、他の教科で事故をすると順位は伸びません。

実力の問題は圧倒的な高得点が取りづらいんですよね。それに対し、圧倒的な低得点は割と簡単に取れてしまうのでこうなるわけです。
高得点を取りづらいのは、難問に取り組んで周りと差をつけるような時間がそもそもないことが原因となっているように思われます。
(ただし、N先生の物理は一部の天才の方には圧倒的な点数が取れる教科となっていて例外です。追記:数学でもたまに取れたりするそうです)

文理ともに、特に数学で事故が起きやすく(主に計算ミス)、その際大問丸ごと飛んでいくようになると大きく点数が下がってしまうので気をつけましょう。

各教科ごとの傾向

学年が違うと問題も変わってくるかもしれませんが、73期はこんな感じでした。

国語

1・2年は80分で、現代文・古文・漢文で大問1つずつ。現代文は評論のみ出題。点数配分は忘れました…。
3年は100分で、評論・小説・古文マーク・古文記述・漢文の大問5問構成。各大問40点だったような。

1~3年共通で時間が足りない。3年では大問1つ捨てる戦略を取った人も多い。
古典は割と点数が取れるため古典で稼ぎ、現代文は評論か小説で簡単な方を解くといった感じ。
ただ、古文が異様に難解になったり、現代文がどちらもマニアックすぎて全然分からなかったりすることもあり、柔軟に戦略を変えるべき。

数学

小問集合+応用問題という形式は定期考査と変わらない。
問題の難易度が高めだが、東大入試ほどは難しくない。
国語とは違って、がんばれば完答できる場合が多かった。
だが計算が煩雑な問題も出題される。
主に計算ミスで差がつきやすく、事故ると他の教科より点差が開いてしまいやすいので気を付けよう。
(大問単位で点数がなくなる事態が起こりうるため)

また、数Ⅰのデータの分析の分野など、対策が遅れがちな分野もよく出題された。

英語

3年はとにかく全部出る。マーク問題はリスニング・文法・語法・長文読解。
記述問題は文系・理系のテーマを扱った長文読解1つずつと、自由英作文・要約・和文英訳。
配点はマークのほうが記述より若干少ない程度。
長文読解はマーク問題では小説が出てくることも。基本的に内容説明問題だが、たまに和訳問題や記号問題も出てくる。
1・2年はこれらのセットから何かを削った感じで出てくる。

時間内に全問題解ききるのは至難の技なので、捨てる問題を見極めた方が良い。
配点が問題の難易度や解くのにかかる時間とあまり関係なく設定されているので、よく確認しよう。
要約は特に配点が少ないので、僕は多分3年間で1回解いたか解かないかくらいだった。
3年の場合は長文読解は1問の配点がかなり大きく、また適当に書くとほとんど点にならないため、ここは時間をかけた方が良い。

以下、理科です。社会はすみません、リサーチできませんでした。
また生物についてもリサーチできませんでした。

化学

難しくて解けないような問題は出題されない。だが問題量が多くなぜかうっかりミスを頻発する。
そのため最高点は9割前後になり、うっかりミスの量で順位が決まっていた印象。有効数字ミスなどに気を付けたい。
かといって時間もそれほど多くないので気をつけようもない。

物理

73期はN先生が出題されていたのだが、全体的にかなり難しく、東大入試程度かそれ以上の難易度だった。
出題される問題はどれも良問で、「物理的な物の見方」が分かっているかどうかが多く問われた。
作業時間より「思考する」事に使う時間が多いため、できる人にとっては他教科に比べて圧倒的な高得点を取りやすい問題だった。

定期考査とは大きく難易度が異なり、公式の暗記や基本問題の演習だけでは歯が立たない内容だった。
その面では東大入試対策にも使えるような問題だった。

K先生の実力問題はそこまで難しくないという話もある。先生によって大分違うのかもしれない。

まとめ

実力は極端に難しかったり、時間がなかったり、問題の題材がマニアックすぎたり、
うっかりミス・計算ミスが大きく点数に影響するなど、
こんな問題で本当に実力が測れるのか?という風にも思えてしまうかもしれませんが、
先ほどのグラフにもあるように、確かに東大合格者は上位層にいて、受験結果との相関も高そうです。

たまに、予備校などが主催する冠模試では高得点が取れるのに実力では順位が高くない、という人がいますが、そういう人はあまり本番合格しません。
異様な問題に出会った時でも時間内に柔軟に戦略を変える力は実力で大いに試されているので、その点が本番でも大事なのかもしれませんね。

どんな問題が出てきても、くじけず、冷静に判断して、がんばって出来る限りの力を出してきてください!